医学部受験生から、続々と推薦入試の朗報が届き始める時期になりました。
名門会に在籍している東邦大学の付属高の生徒たちからも、一般入試に先駆けて、ひと足早い医学部合格の報せが届いています。
この2021年度推薦入試の結果を受け、名門会 千葉支社在籍の東邦大学付属東邦高校から東邦大学医学部医学科への合格者は5年連続輩出となりました!名門会の先輩からのバトンが、また来年へと渡されています。
さて今回は、千葉支社在籍の東邦大推薦入試受験生を毎年担当している、国語・小論文・面接 担当プロ教師 西田裕巳先生に、今年の東邦大医学部推薦入試の最新情報とともに面接必勝法を聞きました。
Q1.今年度の東邦大医学部 推薦入試の変更点、対策のポイントを教えてください。
一番大切なことは、推薦入試自体の変更にともなう面接方法の変更です。
昨年までは、東邦大医学部の推薦入試は「推薦入試(付属校制)」だけでしたが、今年から「総合入試」と「同窓生子女入試」が増え、
同時に3つの推薦入試の面接が同じ場所で行われることになりました。そのため、受験生の数が非常に多くなりました。
おそらく10倍近くの受験者数になったと思います。
昨年までは、複数の面接官によって複数回の面接が行われていましたが、今年は面接回数が減りました。
また、担当する面接官についても変更がありました。今までは同じ面接官がすべての受験生の面接を行っていましたが、今年は受験生によって面接官が異なっていたようです。
さらに面接時間が厳格になったようで、質問に答えている最中に切られてしまった生徒もいたと聞きました。推薦入試の受験生が増えたことにより、今までと同じ対応をすることが難しかったからだと思います。
Q2.実際の授業ではどのような面接指導を行っていますか?
その生徒の現状によって違います。ただ、どの生徒にも必ず最初に行うことは、「なぜ医師になりたいか?」を明確にすることです。どの生徒もここが非常に弱いと思います。「小さいころ命を救われた。」とか「父が医師だから。」という理由だけでは、まず間違いなく不合格になります。そこで授業では、医師になりたいと思ったきっかけを、生い立ちも含めて色々質問をして“自分でも気が付かなかった医師志望理由”を導き出していきます。
これが終わると、要約対策です。東邦は毎年要約の問題が出題されます。この準備なくして合格は不可能だと思っています。まずは授業で、過去に出題された問題と類似の問題を実践し、ある程度できるようになったら、課題に出して経験を積んでもらいます。高3生であれば、慣れるのに時間はかからないと思います。
して、この2点のめどが立ったところで、適性検査対策と基礎学力対策を行います。
適性検査は、漫画の並び替えや、間違い探しなど、事前に予想問題を解いていれば問題はありません。もう一方の基礎学力は、「漢字」、「四字熟語」、「文章の並び替え」など“国語の知識を試す問題”、表やグラフをみて“考察を記述する問題”、そして“要約”の3つがあります。特に最近は、表やグラフを見て考察を記述する問題を苦手にする生徒が多いように感じます。問題を見て結論を頭の中で考え、どのような方法でその結論に導くかのトレーニングを行うことで、どの生徒もしっかりできるようになります。この基礎学力検査は例年似たような問題が出題されており、今年も昨年と同じ問題が出題されました。名門会で学んでいる生徒は、私が受験生にヒアリングして作成した過去問題集で対策できているので、問題を見た瞬間に「よし!」と思ったはずです。
加えて、上記すべてと並行して面接の対策を行います。面接では、面接官の質問内容を正確に把握し、的確にこたえることが必要です。そのためには、幅広い知識が必要です。例えば、「安楽死」や「出生前診断」などの医療知識は当然として、「公的医療保険制度」や「ノーマライゼーション」などのどちらかというと社会に近い知識も必要となります。普段の学校の授業では、このような知識を身に付ける時間はなかなかありません。このような題材を名門会の授業で扱い、生徒に質問して意見を述べさせます。このトレーニングで的確な受け答えができるようになります。
また、面接練習を通して、その生徒の“面接においてよくない癖”を見つけて直すという指導も行います。話す際に「えーと」をつけるとか、話していると猫背になるとか、生徒によって癖はさまざまです。どの生徒も必ずマイナス点がありますので、修正して万全な状態で試験に臨めるようにします。