中学受験・合格を勝ち取る直前期の指導ポイント
いよいよ各地の中学入試がスタートします。
受験生指導をしている先生方にとっても緊張感が日増しに高まり、
目の前の受験生も不安や焦りで毎日の勉強が空回りしがちな時期。
そこで、名門会の実績あるプロ家庭教師から、
直前期の今の過ごし方について、
ポイントをいくつかお話しさせていただきます。
是非、中学受験生を合格に導く先生方に少しでもお役にたてればと願っています。
■1.過去問演習の一番のポイントは 『まちがい直し』
今は勉強時間の大半を、志望校の過去問演習に費やすタイミングです。
そして、過去問演習で一番大切な事が、『まちがい直し』です。
間違い箇所について、なぜそのように間違えたのか、
テキストやノートも見直しながらチェックして、類題を解いて復習してください。
ケアレスミスであっても、まちがい直しは大切で、
ミスの傾向を掴む材料にしてください。
その後、同じような問題で再び間違えた時も、
もう一度『まちがい直し』です。
これを丁寧に何度も繰り返していけば、
必ず結果が出ます。直前の今だからこそ、丁寧にやりましょう。
長年生徒を指導してきてつくづく感じますが、
まちがい直しをこの時期でもめんどうくさがる生徒は非常に多いです。
保護者の方には重要性を分かってもらえると思いますが、
生徒達にはなかなか伝わらないため、日々口を酸っぱくして言っています。
逆に言えば、まちがい直しを徹底すれば、ライバルをリードできます。急がば回れです。
■2.『おさらい』に時間を費やす
これからの時期は、新たな課題に取り組むのでなく、『これまでのおさらい』に時間を割いていくべきです。新しくチャレンジして良いのは、前述の過去問だけです。
難しい問題でも、基本問題でも入試問題の配点が大きく変わる事はありません。基本問題を絶対に取りこぼさないことが合格の鉄則であり、今ある力を固めることに時間を費やしたほうが、有意義な結果につながります。
具体的には、「計算練習」「漢字の書き取り」「一行題」「社会/理科の知識問題」など。これらを毎日欠かさず、入試前日まで続けてください。
■3.答案作成には戦略が必要です
志望校の過去問演習で、問題傾向は把握できているはず。
ならば、あとは時間内にどれだけ解答しきれるかがカギとなります。
難しい問題は後回しにする(問題を取捨選択する眼を持つ)ことも必須です。
スピードアップには限界があります。
そこで、過去問を通して、個々の問題にかける時間や、
何分以上で“捨て問”にするかなど、時間配分の戦略を練っておきましょう。
「第一問の計算問題は15分で満点を取り、第二問の小問集合は10分で…」と、
過去数年の過去問を見ながら時間を決めて、実際に解かせてみて、
合格点が取れる問題ごとの時間配分を見極めておきましょう。
■4.受験勉強のために1月は学校を休ませるべきか?
よく聞かれる質問ですが、正解はありません。
お子さんが学校に行くことで勉強がはかどるか、
悔いの残らないように自宅で勉強をしたいと思うか次第です。
冬休みが終わり、友達との久しぶりの再会を
心待ちにしているかも知れません。
そういった場合は学校を休ませると、むしろストレスになります。
学習面でも、メンタル面でも、入試日に最高に良い状態で受験するために、
親としてどうすべきか?
とにかく、親子でよく話をして、決めるようにアドバイスしてください。
■5.入試前日は「家族総出の受験だった」ことを一緒に振り返る
入試前日の夜、何を親子で話すか決めていますか?
何も決めていないと、単に、当日の激励や注意事項で終わってしまうものです。
思い出してみましょう。受験をすると決めてから、
親子で沢山の物事を我慢して、いよいよ受験を迎えます。
これまでの出来事を振り返ると、激励や注意事項だけではかなり寂しいですね。
お互いの信頼関係を再確認する絶好の時間かと思います。
受験が終了した生徒に聞くと、
前日の夜に親に掛けてもらった言葉が一番嬉しかったという生徒もいます。
親子で一丸となって取り組んだ受験です。
結果はもちろん大切ですが、
それと同じ位大事なものも勝ち取って頂きたいと思います。
以上、担当されている中学受験生の皆さんが、
最後まで悔いの残らない勉強を続けられるように指導してください。■